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[編集]労働政策審議会レポート(第139回)[活動|広報]
投稿時間:09年12月03日

労働政策審議会(労働力需給制度部会)

今後の労働者派遣制度の在り方について傍聴レポート

 

JSGU政策部長 木村德太郎

 

 1126日に開催された第139回労働力制度部会についてレポートします。

 

139回 平成211126日(木)9:0010:50

 

 今回の審議会では、前回の積み残しとなった、9.罰則関係、10.法律の名称について議論し、その後「登録型派遣」「製造業務派遣」「違法派遣への対処」について論点を整理した上で意見を述べた。

 

労働者側委員・・法律の名称については、法技術上こだわらなくても良いといわれているが、名は体を表す。労働者保護を入れるべき。

使用者側委員・・今回論点として10項目上がっているが、いずれも研究会報告で網羅されており、平成20年の政府案となっている。それを支持する。それ以上のものは必要ないし、加える必要がない。前回の政府案でいきたい。

        法違反については罰則強化すべきだが、20万以上1億円というのは他の法律からみて均衡がとれているのか。

労働者側委員・・今回の諮問は、昨年末の生存権まで冒されたことを受けたものであり、強化をすべき。

使用者側委員・・罰則については、他のものとの整合性をとるべき。法律の名称はまず名称ありきではないのでは。

労働者側委員・・労働者から見れば罰則は強い方が良いがバランスも。「みなし」とのバランスも必要。こうしたことが実現された場合、施行期日について、直ちにするもの、経過措置が必要なものがあり、これについては全体の出来上がりを見極めるべき。

使用者側委員・・使用者側としても、出来上がりをみて施行日を決めるべき。

公益側委員・・・労使一致したものと隔たりがあるものがあり、その点について議論を深めていただきたい。隔たりのある「登録型」「製造業務」「みなし」の3点について別紙のとおり論点案にまとめたので、これを元に、まず公益委員から意見を述べたい。

鎌田委員・・・・登録型の原則禁止で労使の対立がある。使用者側委員が、禁止することが憲法違反になるのではという意見があったが、法的にはそうならない。しかし、禁止するからには、それなりの理由が必要であり、どのような問題が生じたのか見る必要がある。

柴田委員・・・・施行期日についても労使で意見がある。雇用安定、エインプロイ・アビリテの問題もあり、禁止するにしても施行期日をずらす必要があるように思う。この場合、企業規模の大小によって変更することは可能か。三党案ではどういう扱いとなっているのか。

        単純労働を禁止するとしても、例外をどうするのか。派遣のもつ需給調整機能のプラス面もある。多様な働き方、会社に縛られたくないなど、このようなニーズをもつ労働者もいる。きちんと保護した上で、整理も必要。

事務局・・・・・三党の法案であるが、マニュフェスト、合意書には施行期日については明記されていない。原則自由化した98年改正で附則をつけ、製造業務は当面禁止などの例はある。必要であれば施行に関して段階的にすることは可能。

使用者側委員・・登録と製造業務派遣は密接であり、製造業務のところで意見を述べたい。

労働者側委員・・いままでは、登録型について突っ込んだ議論はなかった。(前回は日々雇用の派遣がメイン)労働者の意思が明確に確認されず、いつまで働けるのかを含め使用者に一方的な権利がある。したがって、登録型は全面禁止する。中小企業が大変だというが、働き方や派遣労働者の権利は規模の大小とは関係がない。企業規模によって規定の例外を作ることは的外れ。これまで派遣労働者の保護がなおざりにしてきたことが問題。例外は認められない。

使用者側委員・・登録型でも一般事務は問題がない。禁止されたら行き場がなくなる。中小企業は派遣を使わなければ成り立たない。労働者にとってもメリットがある。

        禁止の是非について、登録型でのいわゆる「派遣切り」が製造以外であったのか、具体的なものがない。(配布された資料1ページの二つ目の*は「そもそも論」実態重視の議論が必要。就労者の選択によって(派遣という働き方が)選ばれているのでは。選択肢を閉じるのは問題。派遣は需給調整として優れている。キャリアのステップアップ等、様々なニーズにこたえる制度として、その場を提供し、業界だけでなく行政も支援するようなプログラム作りも必要。

労働者側委員・・前回の派遣法の改正についてフォローアップをしてきた。その時日雇い派遣の問題が出てきたので、それを優先的に論議してきた。登録型については引き続き話すことになっていた。

        リーマンショックで、派遣の問題点がいろいろと明らかになってきた。選挙でも、「生活第一」という民主党のマニュフェストに派遣問題も書かれていて、国民はそのマニュフェストを見て政権選択をした。

        登録型は大きな問題をはらんでいた。この問題にきちんと取り組むべき。登録型は安定性に問題があり禁止。派遣はずっと派遣で抜け出せない。他の国は派遣から正社員に移行しているが、日本は違う。登録型は禁止すべき。

        99年改正が問題。派遣のニーズとは何か。

事務局・・・・・一定の利用目的がある。登録型は臨時的・一時的、休業代替は目的に合致している。

        労働者のニーズは、自分の働きたい時に働ける等のもの。特に、この仕事だけをやりたい。直接雇用は他の業務もしなければならない。残業をしたくない。メリット、デメリットを比較してメリットがあるものを残す。

労働者側委員・・臨時的・一時的というのは全ての定義に出てくるが、例外はでてこない。

事務局・・・・・例外とするなら、何を例外とするか議論していただきたい。

労働者側委員・・育児休業(一年くらい)などは理解できる。(あまり)例外をつくると解釈が広がるのでは。

使用者側委員・・先ほど労働者側委員から、派遣はずっと派遣という意見があったが毎年30万人位が派遣から正社員になっている。リーマンショックで派遣への影響があったが、正社員も影響を受けている。

        民主党のマニュフェストについて、マニュフェストとは何か。もともとはイタリア語のマニュフェスタ―レから来ているが、その意味は「意見を表明する」というものだ。マニュフェストは派遣だけを取り上げたものではない。派遣禁止が支持されたというのは早計である。

        この審議会で年末までに「建議」をまとめよとの声があるが、大事なことなので審議の時間が足りない。尻を切ったやり方には反対。

        派遣法ができた1985年からここまで来ている。働く人の意識も、この法律の下で変化している。禁止を拙速にやるのは反対。もっと広く意見を聴くべき。

        労働者側委員の意見について違和感がある。使用者も登録型に問題がないとは言っていない。派遣から正社員として採用されている事実がある。30万人以外にも、紹介予定派遣で3万人いる。

        多様な労働者のニーズを考えるべき。意に反して働く人は禁止ではなく、その人たちに何ができるか考えるべき。

労働者側委員・・派遣労働者のヒアリングや連合の都道府県の地方連合会には様々な相談がある。(そこから判断すると)常用以外の登録型が問題。

        派遣から正規になったというのは2009年問題があったから。正規で働きたい人が多いのは事実。就労形態が多様なのは良いが、雇用の安定と均等待遇は必要。

公益側委員・・・製造業務派遣に関しても議論をお願いしたい。

鎌田委員・・・・「派遣切り」や労災など問題が多い。したがって他の業務と分けて考えるという意見がある。常用や専門職を例外とすべきという考え方があるが、その場合専門職とはどのようなものか議論すべき。一定の資格を例外とするのか話し合ってほしい。

柴田委員・・・・中小企業の要員確保の困難さや、業として立ちいかないという意見もある。派遣禁止に向かってゴールは同じだと思う。移行措置と例外をどうするのか、未熟練労働者は酷い目に合いやすい。ワーキング・プア(単純作業やスキルアップできない)となる人は保護する必要がある。

        例外とするとどのような資格があるのか整理してほしい。

事務局・・・・・国家資格ではボイラー技士等、技能検定制度や民間の公益法人が認定する木材加工、その他社内検定などがある。

使用者側委員・・事務局の許可をえて「製造派遣適正化パッケージ(案)」を配布させていただいたので、参照してもらいたい。

        「派遣切り」が行われないようにする必要がある。しかし、何もしていない中小企業や派遣労働者にとって、製造業務派遣の禁止は、派遣労働者の失業をも招く劇薬である。禁止するという「諮問」にこたえることとはない。現在製造派遣には専門職はいない。禁止されたら全滅となる。

        派遣契約の解除のルールをどうするのか、事前にルールを明確にした上で、違反した場合にはじめて禁止が出てくるのが適切である。

        雇用主責任強化として、派遣元責任者講習を国家試験とする。派遣会社は7万から8万社といわれている。この労働者需給制度部会で許可の諮問をしているが、これで良いのか。

        派遣先も一部の大手メーカーがドライにやりすぎた。派遣先講習を義務付け徹底してやる。

        また行政は競争入札方式をとっているため、安く入札する派遣会社に発注しているが、それによって派遣労働者の賃金が下がっている。派遣の業界団体が行政に申し入れるなどすべき。

労働者側委員・・製造業務に派遣が解禁されたのは2004年であり、5年もたっていない。それ以前は派遣なしでやってきた。また、例外とした場合、常用は期間の定めのないものとすべき。

使用者側委員・・昔と今は違う。SCM(サプライ・チェーン・マネージメント)などで在庫を持たない経営をしている。発注から納品まで時間的余裕がない。その間に人手を確保することは困難であり、派遣に頼らざるを得ない企業がある。

        禁止することで雇用の安定が図られるのか。

労働者側委員・・リーマンショック以降、製造派遣では多くの労働者がいなくなった。雇用形態をどうするのかという問題あって、派遣がなくなったからといって失業者が増えるわけではない。

使用者側委員・・労働者側委員は大企業のことを言っているのではないか。

事務局・・・・・製造業務派遣に関して言えば、事業報告がないが、大手の製造派遣の会社は昨年対比で6割減という話も聞いている。昨年が56万人であったから、現在は20万から30万人いると思われる。

労働者側委員・・使用者側委員には頭の体操をしてほしい。直接雇用にする、派遣がなくなっても仕事はなくならない。

使用者側委員・・中小では雇用できない。

労働者側委員・・2009年問題があったので、中小企業も直接雇用の準備をしていた。経過措置をとれば軟着陸可能。

使用者側委員・・直雇用で採用しようとしても、知名度がないから派遣に頼っている。

        2009年問題で対応を考えたということは、2004年から雇用不安定があったとはいえないのではないか。

        ものづくりは、国内でものづくりを継続していくことが大切。このまま禁止とすると国外生産の後押しをすることになる。

 

労働者側委員・・違法派遣への対処に関して「みなし」規定を入れるべき。

        派遣労働者からの通告によるもの。派遣先から申し込むもの。派遣先に申込みを課すもの。この3点の違いはどう考えればよいのか。申込み義務を課して民事効(*注・・・行政の勧告を待たずに裁判で争うことができる)ありとすると、損害賠償のみとなり、地位認定はないのではないか。

事務局・・・・・設計によって違う。

        「みなし」は、違法があったとき新規の雇用契約が自動的に成立する。労働者の意思がある場合、もともとあった契約の残りの部分が移転する。派遣先からの申込みだと、派遣労働者が派遣先の申込みを受諾することで雇用関係が成立する。

        民事効ありでは、損害賠償のみでなく、裁判で「申し込め」という判断で義務の履行をさせることはある。したがって3つは地位確認あり。

鎌田委員・・・・雇用請求のやり方。間接強制として「申し込みの意思表示」を判決されれば地位確認と同じ効果がある。

労働者側委員・・(資料の3ページ)*印の上三つは地位確認となる。*印の一番上がもっとも分かりやすいし、制度設計しやすいのではないか。

使用者側委員・・違法な状態だからといって、契約の自由を無視することは問題がある。派遣先だけに問題があるのか。違法な状態にあるのは派遣元が一番わかっているはず。派遣先だけが責任を持つべきというのはどうか。

        もちろん、違法な状態は一刻も早く解消しなければならない。

        良質な派遣元へ紹介するという方法もある。

労働者側委員・・違法派遣については、挙げられている(資料3ページ2の)4つぐらいしかない。それほど「みなし」については大きな問題ではない。

        派遣労働者と派遣先との雇用関係がいつ成立するのか、全部移行するのか。派遣労働者が派遣先との直雇用について異議がある場合、有期の契約の定義からいえば、重大な契約上の変更があるとして、退職することが出来るのではないか。

清家委員・・・・政府は、次回の通常国会での法案提出を目指している。したがって、出来るだけ年末までに取りまとめたい。

        次回以降取りまとめに向けて議論したい。

 

 

139回の審議会では、概ね上記のようなやり取りがありました。

労使とも意見の対立が続いています。清家委員の発言にあるように、審議会として、年内

に「建議」をとりまとめる方針に変更はなさそうです。

 

次回は129日(水)に開催される予定です。

 

 

第139回労働政策審議会報告

第139回労働政策審議会資料